テダ川で十三の卵を産んだ女
どんな伝承か
親主の家に奉公していた貧しい女が、テダ川へ水を汲みに行った折に用を足し、そのまま卵を産み落とした。長井御獄の南にあたるこの川で女は十三個の卵を産み、薪取りのたびに温め続けた。やがて卵はことごとく人の姿となって孵り、十三人の子が川で水遊びをしていたので、女は白粥を炊いて食べさせた。子らは神の子であり、世の主・風の主・帳簿の主などとして方角ごとに配された。のちに風の神が大風を起こそうとし、姉の世の主が急いで粟を刈り取らせて島の飢えを防いだと語られる。
原典より
女が親主の家に奉公していたときのこと、芋畑に行って芋掘りをしたり、野菜を取ったりしていた。—— 日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。