餅が絶えて働き始めた古宇利島の二人
どんな伝承か
那覇市で採られた話。むかし古宇利島に男の子と女の子が現れた。裸のままでいたが恥じることもなく、毎日天から落ちてくる餅を食べて暮らしていた。ある日、食べ残した餅を蓄えておくと、それきり餅は降らなくなる。二人は空を仰ぎ、月に餅を落としてくれと歌ったが甲斐はなかった。そこで働くほかなくなり、朝夕に海辺でウマグルなどをあさるうち、海馬が交わる姿を見て男女の道を知った。以来、裸でいるのが恥ずかしくなり、クバの葉で隠しどころを覆うようになったという。いまの沖縄三十六島の人々は、この二人の子孫だと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。