三十三年目に帰った父とカジマヤー
どんな伝承か
六十七歳ほどの年に家を出たまま行方が知れなくなった男がいた。歳月は流れ、家を離れて三十三年目に当たるというので、家族がスーコーすなわち焼香の支度を整えていたところ、死んだものと思われていた当人がカジャヤーを手に庭先へ姿を見せたという。一同は喜び、焼香に用いるはずだった料理でそのまま帰宅の祝いをした。その日が九月九日であったことから、カジマヤーの祝いが始まったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。