雄の鳥は出よと射た一番供
どんな伝承か
知名町具志検に伝わる話。眠れば十七日、起きれば十七日という体質を持つ百合若大臣が江戸への船旅の途中、無人島に漂着した。眠っている間に一番供が腹帯と刀を奪って置き去りにし、大臣の妻に死んだと偽って無理やり妻とし、大臣の馬も鉄の馬屋に押し込めてしまった。一人取り残された大臣は貝を拾って命をつなぎ、沖を通る大船を招き寄せ、鬼かと疑われながらも助けられた。家に戻ると隣家の草刈りとして働くうち、そのみごとな働きぶりから一番供に見出されて引き取られ、馬に主人と認めさせ、弓矢で一番供を射殺して元の夫婦に戻ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。