姪を抱いて入水した大阿母とオアムディ
どんな伝承か
大阿母様が首里の王に拝謁するため、首里見物をしたいという姪を伴って参内した。大阿母は姪に作法を教え、下されものは蓋にしずくのないものは毒だから決して口をつけるなと戒めた。拝謁の場で王は姪の美しさに目を奪われて妻に望んだが、大阿母は両親の許しがないと固く断った。運ばれた茶の蓋裏に露がないのを見た大阿母は、湯を捨てるよう姪へ湯呑みを手渡したが、姪は自分に勧められたと勘違いして一口で飲み干し、たちまち死んだ。大阿母は舟子を励まして七日七夜を漕がせ、与路の部落が見えたところで姪のなきがらを抱いて入水した。舟は沈み、岩にすがった舟子の指の跡が残り、その岩をオアムディという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。