穴に富士をおさめる船山の鏡石
どんな伝承か
韮崎町の姫宮神社のそばに、船山の鏡石と呼ばれる直径三尺ほどの丸い石がある。石の中ほどには差し渡し一尺ほどの穴があいていて、離れて眺めると鏡のように見え、雲の向こうの富士山がその穴の中におさまって、格別の眺めになるという。台石には宝暦七年九月と刻まれており、当時の人々が風流な趣向を凝らしたことがうかがえる。
原典より
姫宮神社の近傍に鏡石といって、円形三尺ばかりの石があって、その中間に径一尺位の穴があり、遠く望めば鏡のようで、雲外の富岳は鏡中には入って、風景殊の外すぐれて見えるという。—— 韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年))
『韮崎市の民話伝説』は、韮崎市教育委員会が昭和四十二年に発行した民話・伝説集である。韮崎・円野・中田・穴山・藤井・神山・穂坂・清哲・旭・大草・竜岡の十一町で民俗資料調査員が集めた百六十八話を収め、武田信玄・勝頼や鎮西八郎為朝、弘法大師の話、山の神のたたりや化かされた話などに話者名や『裏見寒話』などの出典を添える。巻頭に昔話と伝説の解説を置き、本文を木・石・水・塚・坂峠・山・谷沢・屋敷跡城址・祠堂・その他の十部に分ける。