お茶ばあさんを祀ったムシバ地蔵
どんな伝承か
むかし神山町武田の村に、お茶ばあさんと呼ばれる人が住んでいた。どこの村からかひょっこりやって来て、村人に馴れ親しまれるようになった人で、呪いごとが上手く、茶を好んだ。村の女たちは悩みごとや病のたびにこのばあさんを頼って祈願してもらい、礼に茶をあげたという。ばあさんが亡くなった後、村人はその墓の側に石地蔵を刻んだ。今もこの地蔵を「お茶ばあさん」または「ムシバ地蔵」と呼び、悪い風邪がはやったり、子供がはしかに苦しんだり虫歯を病んだりすると、南田圃のこの地蔵に詣で、茶や油揚げを供えて祈願する。すると不思議に全快が早いという。
原典より
むかし武田の村に、お茶ばあさんと呼ばれる人が住んでいた。—— 韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年))
『韮崎市の民話伝説』は、韮崎市教育委員会が昭和四十二年に発行した民話・伝説集である。韮崎・円野・中田・穴山・藤井・神山・穂坂・清哲・旭・大草・竜岡の十一町で民俗資料調査員が集めた百六十八話を収め、武田信玄・勝頼や鎮西八郎為朝、弘法大師の話、山の神のたたりや化かされた話などに話者名や『裏見寒話』などの出典を添える。巻頭に昔話と伝説の解説を置き、本文を木・石・水・塚・坂峠・山・谷沢・屋敷跡城址・祠堂・その他の十部に分ける。