針とひょうたんで蛇を退けた末娘
どんな伝承か
ある朝、父親が顔を洗おうと庭に出ると、蛇が蛙を呑みかけていた。哀れに思った父親は、三人の娘のうち一人を嫁にやるから蛙を助けてくれと蛇に頼み、蛙は助かった。約束を悔いて沈む父を長女も次女も責めたが、末の娘が自分が行くと言い、針千本とひょうたん一つを乞うて、翌日蛇に連れられて行った。蛇の家のある池に着くと、娘は「この針を池で浮かせたなら妻になります」と言って針を投げた。蛇は水の上を飛び歩いて浮かせようとしたが、針はたちまち沈んでしまう。次に「このふくべを沈めたなら妻になります」とひょうたんを投げると、蛇はからみついて沈めようとするが沈められない。その間に娘は一目散に家へ逃げ帰って助かったという。
原典より
或る朝、父親が顔を洗うため庭に出ると、蛇が蛙を呑みかけていた。—— 韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年))
『韮崎市の民話伝説』は、韮崎市教育委員会が昭和四十二年に発行した民話・伝説集である。韮崎・円野・中田・穴山・藤井・神山・穂坂・清哲・旭・大草・竜岡の十一町で民俗資料調査員が集めた百六十八話を収め、武田信玄・勝頼や鎮西八郎為朝、弘法大師の話、山の神のたたりや化かされた話などに話者名や『裏見寒話』などの出典を添える。巻頭に昔話と伝説の解説を置き、本文を木・石・水・塚・坂峠・山・谷沢・屋敷跡城址・祠堂・その他の十部に分ける。