羽鳥の天神塚と歌女神社の板碑
どんな伝承か
大生郷天満宮の社伝は、道真の霊をはじめ筑波山麓の羽鳥に祀ったと伝え、碑文もそれを裏づける。その羽鳥の旧墓地と思われるのが、真壁郡紫尾村大字羽鳥にある天神塚で、歌女神社の北三町ほどの地点にあり、土地では日月塚とも呼ぶ。歌女神社の境内にはこの古墳から移されたと思われる板碑が残り、菅原三郎景行・兼茂・景茂らが公の墓地を羽鳥から移したこと、延長四年二月廿五日の日付、そして菅景行・源護・平良兼が共に関わったことが刻まれている。大生郷の碑より三年早い。源護と良兼はいずれも将門の私闘の相手であり、事件の約十年前に菅原氏の景行が彼らと親交をもっていたことが知られる貴重な遺跡である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。