大生郷天満宮と道真の遺骨
どんな伝承か
水海道市の西北およそ一里、将門の本拠岩井の東にあたる大生郷は、古く菅原村と呼ばれ、日本三天神の一つと伝えられる菅原天満宮がある。社殿の創建は延長七年といい、京都北野の天神より十八年早く、日本最古の天満宮ともされる。社伝によれば、道真が大宰府で没したのち、遺言により三男の景行が画像と遺骨を伴って下り、はじめ筑波山麓の羽鳥に葬り、のちにこの地へ移して社殿を営んだという。大正十一年の火災で社殿や古記録は失われたが、鳥居のほとりに鳥居戸の石とも刀磨き石とも呼ばれた古い石碑が残り、火災前の拓本の解読では、常陸羽鳥の菅原神社を移した所として景行・兼茂・景茂の名と延長七年二月廿五日の日付が読めるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。