半日で都を往復した七声の馬
どんな伝承か
反乱者・藤原広嗣の名馬「竜ノ馬」をめぐる説話。『古今著聞集』に、大宰府から京都までの一五〇〇里を半日で往来する「七声の馬」として伝わる。大伴旅人の『竜の馬も今は得てしか』の歌に因むとも、柳田国男はその誤伝の可能性を説きつつ、九州の辺土にこうした神物のごとき駿馬が現れたという噂が折々あったと述べた。七の数に由来する妙見信仰との関わりも暗示されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。