箸から生えた二本の榎
どんな伝承か
東京都西多摩郡瑞穂町二本木、旧入間郡元狭山村二本木に伝わる地名由来の話。昔、国主がこの地を通りかかり、昼食のあとその場に箸を挿しておいたところ、それが芽を出して二本の榎に成長した。それゆえこの地を榎台と呼び、村の名を二本木と称するようになったという。挿した箸や杖が根づいて大木になるという杖立・箸立の伝説は各地に数多く、箸や杖を神霊の宿るものと考えた信仰を背景にしていると解説されている。
原典より
二本木峠は標高五九三メートル、秩父盆地の東辺を走る釜伏丘陵の南端にある。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。