白久の休み石と落人の白蛇
どんな伝承か
秩父市荒川の白久にある休み石は、源平の時代に落人が慣れぬ山道に疲れて腰を休めた石だという。この落人は追手の武士に斬られたが、その時白久の下郷の人も加勢して殴りつけた。落人は息も絶え絶えに白久の豆早原を見やり、あの二、三軒の家とお前と同姓の家には蛇になって出ると言い残して息絶えたと伝わる。武士は百姓に礼をして去ったが、その後菅沼家に白い蛇が出るとの噂が立ち、悪いことが続いたため相談のうえ蛇を祀り、三月十五日を祭日とした。下郷には絶えた家があり、落人を討った者の子孫だろうといわれる。
原典より
白久の休み石は源平時代に、落人が慣れない山路に疲れて休んだ石だという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。