禁を破った嫗が石になった嫗ヶ嶽
どんな伝承か
飯能市上直竹にある嫗ヶ嶽は、関東各地に見られる「富士山」の一つで、麓には浅間社が勧請されている。参詣路の中腹にあたる場所を嫗ヶ嶽と呼び、そこから上は女人の登山を禁じていた。ある嫗が禁を破って無理に登ろうとしたところ、石になってしまったという話が伝わり、嫗ヶ嶽の名もここから起こったとされる。『新編武蔵風土記稿』巻百七十七に載る。
原典より
上直竹の嫗ヶ嶽は、関東によくその名をみる富士山であるが、その麓に浅間社が勧請されている。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。