坐禅のまま石と化した鉢の石仏
どんな伝承か
百数十年前のこと、土市の観泉院に身を寄せていた明屋有照禅師は、ある晩、西の空に天灯が降りてくるのを見た。禅師はそこが仏法を広めるべき霊地だと考えて場所を探し歩き、鉢の村にたどり着いた。禅師はこの地に庵を結び、そのまま一生を終えた。鉢には奇妙な形の石があり、村人に尋ねると、徳の高い僧が座禅を組んだまま石と化したもので、石仏と呼んでいるという。霊験あらたかな石として、今もお参りする人が絶えない。
原典より
ここには不思議な形をした石があり、ムラ人にきくと「高僧が坐禅したまま石になったもの、石仏(いしぼとけ)という」とのこと。—— 十日町市史 資料編8 民俗(十日町市・十日町市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
十日町市史 資料編8 民俗(十日町市・十日町市史)
『十日町市史 資料編8 民俗』は、十日町市の市史資料編の民俗の巻であり、ここにはそのうち第二節「伝説」を収める。市内に伝わる伝説を木、石・岩、水、塚、坂・峠・山、祠堂、家・ムラの七つに分け、遊行上人にお札をもらいに来た木、片目の魚がすむ七ツ釜、新田義貞の挙兵にちなむ観音塚や竜王様、弘法清水などの梗概を記す。冒頭に伝説と昔話の違いを説く解説を置き、話を梗概にとどめたことと別冊『十日町の昔ばなし』の参照を断る。