ぜんそくを救う想海上人の入定堂
どんな伝承か
鴻巣市北新宿の永勝寺の北の隅、田んぼの中に入定堂があり、「想海上人寛文二年二月二十一日入寂」と刻んだ五輪塔が立っている。上人は生前ぜんそくに苦しんだので、後の世の人が同じ病で苦しまないようにしたいと言い、生きたまま土の中に入って入定したと伝わる。土地の人はいまもこれを「せきの神さま」と呼び、咳に悩むと願をかけ、治ると竹筒に酒を入れて納める習わしがある。いまも集落の信仰を集めていて、上人を供養する新しい塔婆も上がっている。
原典より
伝えるところによると、この上人は生前ぜんそくに苦しんだので、のちのちの人がこの病に苦しまぬようにしたいといって、生きながら土中にはいり入定した。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。