首なし六地蔵のシャビキさま
どんな伝承か
所沢市久米の長久寺は旧鎌倉街道沿いにある時宗の寺で、境内の左手にシャビキさまがある。首のない地蔵が六体並び、首には紅白の輪袈裟や前掛けが幾重にも巻かれ、絵馬や線香が供えられ、「寿和婦貴尊」と書いた大きな提灯が目を引く。首が飛ぶほど苦しい咳の出る人が祈ると効くといわれ、百日咳に悩む人が大勢参る。願を掛ける人は地蔵の首の輪を借りて自分の首に掛け、治れば新しい輪を一本添えて返す。日数を限って祈れば風邪の病はみな治るともいわれ、堂内には絵馬が山のように積まれている。
原典より
首の飛ぶくらい苦しい咳の出る人が祈ると効があるといわれ、百日咳になやむものが多くお詣りする。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。