奄美大島ワダガナシの出現
どんな伝承か
『南島雑話補遺』には、奄美大島に地を曳くほど巨大な陰嚢をぶら下げて出現するという海神ワダガナシの記述がある。毎年二月四日に迎え祭られるナルコ神とは別の神とされ、海を対象とした初期信仰に隠微な男女関係が絡みついていた痕跡の一つとみられている。沖縄の袋中大徳の神道記にも、長さ一丈ほどで縄を肩に掛けたヲウチキウという海神が那覇の町に現れたとの記録がある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。