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豊後の炭焼がひとりで開いた新道

所在地鹿児島県肝属郡南大隅町佐多伊座敷島泊
年代現代
登場豊後から来た炭焼
出典定本柳田国男集 第1巻

どんな伝承か

佐多の島泊は、磯山川の川尻にわずかな家が固まる漁村である。伊座敷の町からこの島泊へ来るには、以前は一番高い山の八合目あたりまで登って越えるのが近道で、それが唯一の道だった。ところが隣の西方区を通る一間幅の路を、自分ひとりの力で新たに開いた者がいる。豊後から流れてきた炭焼だと聞いて、柳田国男は古い物語のようだと喜んだ。この男は十何年の倹約でこしらえた家屋敷を売り払い、それでも費用が足りずわざわざ故郷まで金を取りに帰ったという。できあがった新道の片端に、炭焼小五郎の小屋のようなものを建てて住んでいる。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。

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