頼朝が武運を祈り松を植えた塞神社
どんな伝承か
房総には源頼朝の伝説地が多く、君津市法木作にある塞神社もその一つである。この社は、木更津から大佐和方面へ通じる旧道に面した丘の上にあり、明治維新までは道祖神(さいのかみ)と呼ばれていたという。言い伝えでは、治承四年(一一八〇)に兵を挙げた頼朝が、北へ向かう途中ここに参詣して武運長久を祈り、記念に松を植えた。鎌倉幕府を開いた後には、「道祖神」と記した額が奉納されたという。また、この境内の木に登って遊び、落ちてもけがをしないのは、祭神の猿田彦命などが子どもを守っているからだといい、古くから旅の安全を守る神としての信仰も厚い。
原典より
房総には源頼朝の伝説地が多い。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。