横田たんぼの広さと父の見栄
どんな伝承か
君津市の小櫃川上流、かつて上郷と呼ばれた亀山あたりに伝わる笑い話である。父と子が馬車に薪を積んで木更津をめざした。馬来田を過ぎると一面の田が開ける。ここは何という所かと子が尋ねると、父は馬をひきながら横田たんぼだと答えた。その広さに驚いた子が、横田たんぼは世界一だと言うと、父は胸を張り、ばかを言うな、日本はこの三倍もあるぞと返したという。『上総町の民話』に採られた話である。
原典より
笑い話のひとつに、君津市の小櫃川上流地域に伝わった横田たんぼの話がある。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。