大入道が閉じ込めた牢場の沢
どんな伝承か
甲斐の北都留郡笹子村にあり、阿弥陀海道の北に立つ険しい山である。昔、村人が薪を取りに入ったところ、背丈が一丈あまりもある大入道が現れた。大入道は村人を右手の小さな沢へ連れ込み、一週間あまりも外へ出さなかったという。その沢はいま牢場と呼ばれ、人々は足を踏み入れるのを嫌っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。