白犬が大猿を噛み殺した犬飼村
どんな伝承か
兵庫県多紀郡古市村の一部を犬飼村という。昔、鎮守の宮へ人身御供を出すことになり、上田の村主という長者の娘がそれに当たった。娘が櫃に納められて運ばれるとき、飼っていた白犬が付き添って行った。夜半に激しく戦う声が聞こえ、翌朝見ると犬は大猿を噛み殺しており、猿も倒れて死んでいた。村人はその犬の霊を祀った。大歳神社では今も十一月、中の戌の日の真夜中に祭りが営まれるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。