門松が根づいた下谷の逆松
どんな伝承か
正月二日に初鍬といって、地面に二度鍬を入れ、米と大豆を一粒ずつ蒔く習わしがあった。寛政十二年のその折、村民の久兵衛某がかたわらにあった門松を取って地に立てたところ、やがて根を下ろし、二間ほどの木に育ったという。枝も葉もことごとく下を向いているので逆松と呼ぶ。
原典より
正月二日に初鍬といつて、地に二鍬切込んで米一粒、大豆一粒を蒔く慣はしがあるが、寛政十二年のこのとき村民久兵衛某が傍にあつた門松を取って地に立てたところが、遂に根を下ろし、二間許になつているといひ、枝葉が悉く下を向いてゐる…—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。