逆さに根づいた姫埋めの槻
どんな伝承か
沖田の古館が落城したとき、城主の姫は身重であった。滅びゆく一族は姫の身の処置に困り、敵の辱めを受けさせまいと生き埋めにすることを決める。姫はいさぎよくこれを受け入れ、一族は泣く泣く葬って、墓標として槻の小枝を逆さに立てた。ところがその小枝に根が生じ、長い年月のうちに立派な樹木へと育った。この槻は根元が細く末が太く、ちょうど逆さ木のような姿をしている。昔から、この槻の枝を折れば熱病にかかると伝えられ、土地の人々は今もそれを信じて恐れているという。
原典より
昔、沖田の古館が落城の時に、その城主の姫は妊娠中であった。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。