うばよくと呼べば泡が立つ乳母ヶ池
どんな伝承か
静岡市の追分に乳母ヶ池と呼ぶ池がある。昔、金谷長者の乳母が誤って子供を池に落とし、書き置きを残して自らも身を投げて死んだ。八月の祭にここを通りかかる侍が「うばよく」と唱えて賽銭をまくと、水面にぶくぶくと泡が立った。池は今では小さくなったが、この水は乳によいといって汲みに来る人が多く、傍らの堂には琴を弾く乳母の木像が納められている。
原典より
永祿六年四月、太田道灌が川越城築城のとき神に祈り、朝一番先に訪れた者を献げる約束をした。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。