庭を歩いた青い小人とやいとの水ぶくれ
どんな伝承か
語り手が五、六歳の頃、久米島の仲泊に住んでいた。梅雨のころのある日、兄と部屋の中で遊び、疲れて雨戸を五寸ほど開けて外を眺めていると、背丈二尺五寸ほどの、いくぶん青みがかった小人のようなものが現れ、庭に置いてあった水がめの前をゆっくり歩いて行った。立って歩く大きな蛙のような格好で、よちよちと進む横姿を兄弟で見たという。二、三日して二人は同時にやいとをされたような刺激を受け、語り手は臍に、兄は陰茎の先が水ぶくれになり、父からあの変な者に悪戯をしただろうと叱られたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。