多摩川の堤に押し寄せた黒い河童
どんな伝承か
八月八日の午前二時ごろ、ある人が多摩川の堤を散歩していた。すると黒い河童のようなものが水面にぽかぽかと浮かび上がり、「ピッ」という声を上げながら川岸へ押し寄せてきた。その人は恐ろしくなって、その場から逃げ出したという。週刊誌に寄せられた目撃談である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。