青大将に首を締められた猫タマ
どんな伝承か
昭和六〇年頃のこと。ある爺さの可愛がっていた猫のタマが、青大将にちょっかいを出した。怒った蛇はタマの首に巻きついた。それを見た爺さは、タマの一大事とペンチで蛇の尻尾を挟んで放そうとした。蛇は痛さのあまりなおさらタマの首を締め、タマは苦しがり、爺さはさらにペンチで引っ張る。蛇はますます痛がってタマを締める。この果てしのない騒ぎを見た婆さが「爺さ、ペンチを放さっしゃれ」と叫んだ。この一言で爺さも気が付き、ペンチを放すと、蛇はやっとタマの首から離れて縁の下へ逃げ込み、タマも助かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。