トンネル入口一面に写った男の顔
どんな伝承か
神奈川県逗子市の、上に火葬場があるトンネルでの話。暴走族がはやった頃、女の子一人と男の子四人が、お化けの出るトンネルへ行ってみようと車で出かけた。トンネルの中で車が止まり、ライトも消えてエンジンもかからない。天井から血の色のしずくが垂れてガラスを伝い、屋根に何かが落ち、窓には手がぶら下がり、フロントガラスの上からは首が転げ落ちてきた。男たちは女の子を置いて逃げ、夜明けに戻ると彼女は気が狂って死んでいたという。最近、話者の高校時代の友人がそこで記念写真を撮ると、トンネルの入口一面が男の顔で埋まっていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。