卒業写真に写った亡くなった男の子
どんな伝承か
和歌山県御坊市の話。話者の母が女学校一年生の頃、大正十三年頃のことという。当時住んでいた御坊町(現在の御坊市)新町にあった塩路という写真屋の主人が、ある小学校の卒業写真を見せてくれた。その写真には、卒業を目前にして亡くなったはずの男子生徒の姿が写り込んでいた。主人は「現像してみたら死んだはずの子どもが写っていて驚いた。卒業したくてたまらず、その霊が写真に写ったのだろう」と語ったが、母は子供心に合成写真ではないかと思ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。