手術の朝、母の枕元に立った娘
どんな伝承か
昭和四十三年七月、大川市で子宮筋腫の手術を受けた。心配をかけまいと東京の母には何も知らせなかった。ところが手術後まだ二時間もしないうちに、東京の母から電話があった。今朝、亡くなった喜子が悲しそうな顔で枕元に立ち、三千円をくれと言う夢を見たので、何かあったのではないかというのだ。姑が電話を受け当惑したが、翌日も電話があり、隠しきれず本当のことを話したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。