弟の危篤の夜に見た細長い火の玉
どんな伝承か
奈良県宇陀郡御杖村での話である。昭和十九年、弟が危篤に陥ったとき、家人は大きくて細長い形をした火の玉が現れるのを見たという。その火の玉は、やがて本家の方角へと向かって飛んで行った。人の生死のきわに、その家から火の玉が抜け出して飛ぶという言い伝えの一例として、土地に語り継がれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。