鬼が投げつけた石と田村麻呂の刀跡
どんな伝承か
大町市源汲の集落から北へ上がった茅場に、長さ一・五メートルほどの石が突き立っている。八面大王が矢沢山にこもっていた頃、退治のために鍛冶屋が武具をこしらえていると、鬼がそこへ向けて大石を投げつけ、それが刺さったままなのだという。八面大王を討った坂上田村麻呂がこの石で刀の切れ味を試したとも言われ、上から三十センチほどの所にその跡が残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第3巻 3 (中信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第3巻(三) 中信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち中信地方の巻から、伝説の章を抜き出したものである。木・石・水・塚・坂と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などに分けて、松本・塩尻・安曇野・大町・北安曇・木曽に伝わる言い伝えを短い条で並べる。抜き出しの際に多くの条から採集地の表示が落ちており、土地の名が本文に書かれない条も少なくない。