月の光を映す小台の鏡岩
どんな伝承か
上有住の小台には、鏡岩の言い伝えが残る。昔、暗い夜の川で魚を探していた農夫は、辺りがしだいに明るくなり、水の中の魚まで見えてきたのに驚いて見回した。すると川岸の岩壁が光っていた。山の端に昇った月の光が、谷の白い石灰岩の壁に照り返して水辺を照らしていたのである。それから、鏡のように光るこの岩壁は鏡岩と呼ばれるようになったという。今は岩壁の中ほどに水路の掘り割りが通っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
住田町史 第6巻 (民俗編)(住田町史)
『住田町史 第6巻(民俗編)』は、岩手県気仙郡住田町の町史の民俗編から、伝説の節を抜き出したものである。地名・石や岩や水・長者や旧家・社寺や祠堂の四つに分けて、山姥のような老婆と和尚の大股・小股、石にされた姥、河童の頼んだ手紙、櫃割長者の大蛇、座敷わらしなどの言い伝えを収める。世田米・上有住・下有住の集落や山に結びついた話が中心である。