ステッキで打ち殺された蔵守さん
どんな伝承か
菊池いつさんの家は菊池家の大本家といわれたが、明治の初め頃に没落した。大きな蔵の中には蔵守さんと呼ばれる屋敷神の蛇が住み、いつも入口にとぐろを巻いていたので、作男たちは出入りのたびに「蔵守さん、ごめんなさい」と挨拶していた。それを毎日見ていたいつさんの祖父は、わずらわしい蛇だ殺してしまおうと機会を待った。蛇は曲がっているときは骨が強いが、まっすぐになると弱くなる。ある日、蔵守さんがフーウッと声をあげてまっすぐ立った隙に、祖父はステッキで打ち、蛇は骨が折れて死んだ。蔵守さんは箕ほどの蟹や酒呑みの坊さん、河童にも変身したという。以後、菊池家は没落した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)