踊り鼻で見つけて見失った金塊
どんな伝承か
五葉の中埣に踊り鼻という所があり、その上の小さな沢は捨て畑と呼ばれる。昔、中埣に、木を切って八日町へ売りに行ったり山菜を採ったりして暮らす働き者の爺さんがいた。ある日、踊り鼻で山菜を採っていると光る物が飛び、その跡を掘ると輝く金塊が出てきた。爺さんは嬉しさに舞い踊ったが、その間に金塊は捨て畑の方へ転がり、いくら探しても見つからなかった。それで踊り鼻、捨て畑の名が付いたといい、踊り鼻には今も金を掘った穴がある。その後、隣の集落の松吉が、大屋の源三郎を連れて掘れば金塊が出るという夢を見て、嫌がる源三郎を連れ出して掘ったが何も出ず、源三郎は笑って帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
住田町史 第6巻 (民俗編)(住田町史)
『住田町史 第6巻(民俗編)』は、岩手県気仙郡住田町の町史の民俗編から、伝説の節を抜き出したものである。地名・石や岩や水・長者や旧家・社寺や祠堂の四つに分けて、山姥のような老婆と和尚の大股・小股、石にされた姥、河童の頼んだ手紙、櫃割長者の大蛇、座敷わらしなどの言い伝えを収める。世田米・上有住・下有住の集落や山に結びついた話が中心である。