小栗上野介の埋蔵金を掘る老人
どんな伝承か
時価三千億円に相当する小判が自宅近くに埋められていると信じ、昭和九年から掘り続けている「金掘り爺さん」こと河原秀守は、山梨県南巨摩郡増穂町に住む七十八歳の人物。江戸城の御金蔵から黄金を隠したと伝わる小栗上野介が、その一部をこの町の春米という部落に埋めたと確信していた。河原家に伝わる「小栗家秘文献一」などの古文書によれば、埋蔵されているのは大判小判ではなく竹筒型の金塊だという。
原典より
一時は宝庫の屋根とおもわれる二尺の角材を確認したといわれていたが、その後、土砂くずれのためにわからなくなり、なおも掘り続けている。—— 日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語)
『日本人物語5――秘められた世界』は、日本人の暮らしの奥にある秘められた信仰や伝承を扱った叢書『日本人物語』の一冊である。境の神や通過儀礼を論じる序論に続き、入らず山や隠れ里、竜宮、平家谷、埋蔵金、生まれ代わり、あの世を見た話、魔法使い、生霊、秘密結社、狐憑きなどを、伝承と昭和三十年代までの新聞記事・見聞を織りまぜて述べる。序論「生活文化の秘密性――はじめに」の後、「奇蹟」「不気味な神々」などの区分の下に短い節を並べる。