四斗樽を一人で担いだ小江川の力持ち
どんな伝承か
吉野文真の母方の祖父は江南村の小江川の人で、森田直吉とも直次郎とも呼ばれる力自慢だったという。小江川で庚申塔を建てた際、寺から建立の場所まで四斗入りの酒樽を運ばねばならなくなったが、この人は構わない、自分が持っていくと言って、一人で担いで運んでしまった。また、荷車引きが誤って堀へ転げ落ちたときには、通りがかったこの人が、百貫目もある馬をもう一人と二人がかりで担ぎ上げたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滑川村史 民俗編(滑川村史)
『滑川村史 民俗編』は、埼玉県比企郡滑川村(今の滑川町)の村史の民俗編から、伝説と噂話の節を抜き出したものである。盗まれるのを拒んだ阿弥陀、生首八幡、福田鉱泉の始まり、河童の証文などの伝説と、オトウカ(狐)やムジナに化かされた話、三峯のオオカミ様、人魂や火柱などの噂話を、話者の地区とともに短い条で収める。沼と小高い山の多い村の、村人の身近な不思議の語りが中心である。