夜明け前に三峯へ着いた代参
どんな伝承か
明治のころ、三峯山へ代参に出る者たちが申し合わせて、七ツ(午前四時)に出発することにした。ところが仲間の一人はそそっかしく、七ツよりずっと早くに起き出してしまった。待ち合わせの場所でいくら待っても誰も来ないので、ひとりで三峯山へ向けて歩き出した。あまりに早く発ったため、三峯に着いてもまだ夜が明けていなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滑川村史 民俗編(滑川村史)
『滑川村史 民俗編』は、埼玉県比企郡滑川村(今の滑川町)の村史の民俗編から、伝説と噂話の節を抜き出したものである。盗まれるのを拒んだ阿弥陀、生首八幡、福田鉱泉の始まり、河童の証文などの伝説と、オトウカ(狐)やムジナに化かされた話、三峯のオオカミ様、人魂や火柱などの噂話を、話者の地区とともに短い条で収める。沼と小高い山の多い村の、村人の身近な不思議の語りが中心である。