野尻湖の大蛇と地震滝の大蟹の争い
どんな伝承か
野尻湖の主は雌雄一対の大蛇で、湖の底深くに棲み、毎年十匹の子を産む。同じ頃、『地震滝』の主の大蟹も毎年十匹の子を産む。滝の主はその子らを引き連れて野尻湖へ行き、大蛇の子を食べさせてしまう。怒った大蛇は戦いを挑むが、大蟹の鉄のような甲羅と鋭い大鋏にはかなわず、毎年負けてしまう。そのため主の大蛇の子孫はいつまでたっても増えないと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。