分教場の脇に植えた九軍神の杉
どんな伝承か
一九四一年一二月八日、日米が開戦し、午前三時一九分、日本軍は特殊潜航艇でハワイの真珠湾を攻撃した。国じゅうが沸き立ち、この挙をなしとげた九軍神が讃えられる。上水内郡信濃町の野尻湖国民学校山桑分教場にいた外谷先生も、何とかして九軍神を讃えたいと考え、学校の行事として翌年の春、分教場の脇に九本の杉を植えた。「九軍神の杉」と呼ばれてすくすく育ったが、敗戦から四八年を経たいま、分教場はすでになく、跡地につくられたテニスコートの造成のときにでもあろうか、何本かは伐られてしまった。九軍神の杉といっても、知る人は少なくなっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。