久米仙人とお新が架けた久米路橋
どんな伝承か
昔、吉野の山で修行を積み、空を飛ぶ術を身につけた久米仙人が空を渡っていた。ふと下を見ると、犀川で美しい娘が洗濯をしていて、無造作に束ねた黒髪の下で着物の裾が乱れ、白いすねがちらちらとのぞいていた。それが目に入った途端、仙人は神通力を失って犀川へ落ちた。娘は懸命に仙人を助け起こし、ただの人となった仙人は娘と夫婦になった。娘はお新と呼ばれ、人となった久米はお新と力を合わせて犀川に橋を架けた。それが久米路橋だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。