鬼女おまんを祀る戸隠の足神社
どんな伝承か
戸隠神社中社の外れ、久山家の西南にある。おまんは最後まで紅葉を助けて戦った鬼女で、山の獣を素手で打ち殺す怪力と、一晩に百二十キロを駆ける健脚を持っていた。紅葉の副将として戦ったが、矢も刀も尽き、ただ一人戸隠山の麓まで逃れた。中院の西の硯石の水で手足の血を洗った時、ふと世の無常を感じたという。罪を悔いたおまんは、本坊勧修院(今の久山家)の僧正寛明のもとで出家した後、自害した。寛明は手厚く葬り、その墓が健脚にあやかる足神社となった。今も子の足の丈夫を願って草鞋を奉納する。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。