傷ついた鹿が教えた春日温泉
どんな伝承か
昔、ある猟師が鹿を射て、確かに当たった感触があったのに、追ううちに見失った。後日、同じ鹿にまた出会って矢を放ったが、鹿は血を流しつつも逃げ去った。しばらくして三たびその鹿に出くわすと、深手を負ったはずなのに少しも弱った様子がない。今度こそと夢中で後を追うと、鹿は湯の湧く口に身を沈めて傷を癒やしていた。こうして湯の在りかを知った猟師は、湯殿や泊まる所を建て、湯の効き目を世に広めた。これが春日温泉の起こりと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
望月町誌 第2巻 (民俗編)(望月町誌)
『望月町誌 第2巻(民俗編)』の伝説の節を抜き出したものである。旧望月町(いまの佐久市)の集落ごとに、植物・石・清水と池・岩穴と塚・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・稲荷・動物・巨人・化け物・禁忌・カッパ・地名の伝えを並べる。望月の駒と生駒姫、梅円坊の化け物退治、彦狭島王の王塚、長者原の長者、ゴマを作らない村々の言い伝えなどが見える。