裾をめくる赤い実の木
どんな伝承か
北方の橋場には、道の上へ枝を張り出した一本の木があり、赤い実をつけていた。裾の長い着物を着てこの木の下を通りかかると、誰であっても決まって裾をめくり上げられたという。不思議なこととして語られ、土地の人はこれを尻まくりの木と呼んでいた。あたりには人家が一軒も無い寂しい場所だった。その木はすでに失われ、今は残っていない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平田村史 第3巻 (民俗編)(平田村史)
『平田村史 第3巻(民俗編)』の昔話と伝説の章から、伝説と世間話の節を抜き出したものである。福島県石川郡平田村の大字・字ごとに、八幡太郎義家や日本武尊にまつわる地名の由来、河童石、姥捨ての十石山、平堂内の大蛇、鶴殺し南兵衛、狐に化かされた村人の話などを収める。阿武隈の山あいの村に残る、石と塚と小さな祠にまつわる伝えが中心である。