夫殺しを企てた男女と供養塔
どんな伝承か
山ヶ草にキエモンという男が、駒形にオカネという女が暮らしていた。オカネには夫があったが、キエモンはひそかに通って逢瀬を重ねていた。ある夜、二人は示し合わせ、外にいるキエモンが細引きを家の中へ渡し、オカネが寝ている夫の首を絞めようとした。だが夫が目を覚まして企ては破れ、二人は五円を科された。払う金が無く、村人に借りようとしたが誰も貸さず、ついに打ち首となった。その後に祟りがあったため、村人は供養塔を建て、今も七月十七日には土地の人が集まって参っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平田村史 第3巻 (民俗編)(平田村史)
『平田村史 第3巻(民俗編)』の昔話と伝説の章から、伝説と世間話の節を抜き出したものである。福島県石川郡平田村の大字・字ごとに、八幡太郎義家や日本武尊にまつわる地名の由来、河童石、姥捨ての十石山、平堂内の大蛇、鶴殺し南兵衛、狐に化かされた村人の話などを収める。阿武隈の山あいの村に残る、石と塚と小さな祠にまつわる伝えが中心である。