糸車の心棒を撃って仕留めた大むじな
どんな伝承か
猟師の横田瀧蔵が夜中にふと目を覚ますと、杉の大木の脇に小さな家が見え、障子に糸車を回す女の影が映っていた。翌朝その場所には何もなく、狸かむじなの仕業と見当をつけて夜を待った。十二時ごろ同じ光景が現れたので影を狙って撃つと灯は消えたが、すぐにまたともる。何度撃っても同じで、弾は残り一発になった。恐ろしくなった瀧蔵が糸車の心棒を狙って撃つと、家も明かりも消えて二度と灯らなかった。翌朝見に行くと、杉の根元に頭を撃ち抜かれた大むじなが倒れていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八坂村誌 民俗編・民俗編資料
『八坂村誌 民俗編・民俗編資料』の口頭伝承の節から、伝説と昔話を抜き出したものである。長野県大町市八坂(旧北安曇郡八坂村)の大姥山と鷹狩山の山姥・金時の伝え、池の主と大蛇、城跡と長者屋敷、狐・狸・むじな・山犬・天狗・河童の話、社寺の由来、雨乞いの伝えなどを、集落ごとの聞き書きで収める。犀川の谷あいの山村に残る、山と獣と水にまつわる話が中心である。