山姥の怒りで二つに割れた鷹狩山
どんな伝承か
鷹狩山は、かつては南北の二つの峰に分かれておらず一つの山だったという。山には村人を慈しむ山姥がいて村人からも敬われていたが、女だけは嫌った。あるとき山に登った女が、帰りに姥の大切にする姥池で月の汚れのついた腰巻を洗ったため、池は血の色に変わり、空が急に暗くなって激しい嵐が起こり、轟音とともに山が二つに裂けた。姥は上籠の大姥山へ移り、姥池も干上がった。讃岐の金比羅様は以前から山姥を慕って遠路訪ねてきたが、すでに姥はおらず、落胆したものの村人に同情されて、その住まいの跡に身を寄せたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八坂村誌 民俗編・民俗編資料
『八坂村誌 民俗編・民俗編資料』の口頭伝承の節から、伝説と昔話を抜き出したものである。長野県大町市八坂(旧北安曇郡八坂村)の大姥山と鷹狩山の山姥・金時の伝え、池の主と大蛇、城跡と長者屋敷、狐・狸・むじな・山犬・天狗・河童の話、社寺の由来、雨乞いの伝えなどを、集落ごとの聞き書きで収める。犀川の谷あいの山村に残る、山と獣と水にまつわる話が中心である。