トップ > 福島県の伝承 > 三春町

借家に通う山姥の女房

所在地福島県田村郡三春町二日町
年代不明
登場行商人甚九郎、山姑の女、寺の住持
出典日本の怪談(二)

どんな伝承か

行商人の甚九郎は、素性の知れぬ女房から逃れようとして、奥州街道をくだり三春の二日町という所に借家をした。二十日ばかりして、行灯を消して床につくと雨戸の隙間が青く光り、外から「開けてくださいよ、私ですよ」と女房の声がした。雨戸が開いて女房が枕もとに来て、いくら嫌われても離れないと言う。甚九郎は刺し殺すよりほかないと思い、会津の方へ行こうと言って家を出、山路の辻堂の縁で弁当を開いた隙に、脇差で女の胸を突いた。逃げ込んだ寺の住持は、山姑に逢ったので命が危ういと言い、死骸を運ばせて額に七字を書き、棺に納めて念仏させた。夜半、棺から角の生えた死骸が起き上がったが、血脈袋と珠数に妨げられ、朝には倒れた。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の怪談(二)(田中貢太郎・日本の怪談シリーズ)

『日本の怪談(二)』は、田中貢太郎が著した怪談・奇談の短編集である。著者の郷里である土佐の高岡郡や長岡郡の山村の話を多く含み、越中の放生津や立山、利根川の河口、館林の城下、江戸の碑文谷などを舞台に、蟹や蛇の怪、鮭の祟り、山姑、亡者宿、切支丹の処刑にまつわる怪異を物語の形で書く。「蟹の怪」から「鶏物語」まで二十八篇を収め、友人から聞いた話として語る篇もある。

種別から探す

山姥念仏退治

三春町の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本の怪談(二)』の伝承